千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

千葉県袖ケ浦市や内房エリアの動植物のお話など。鉄道やヒコーキもあります。

オオミスジコウガイビルと仲間たち

<編集履歴> 2020年09月25日公開、2023年06月07日見直し更新(第3回目、タイトル変更、見直し実施、写真追加)

 

【はじめに:コウガイビルとは】

 半月形の頭を持ち、細長くヌメヌメとした生物:コウガイビル。漢字で書くと「笄蛭」となる。「笄」とは女性の髪を頭の上部に巻き上げて整える棒状の道具だが、これで髪を整えた髪型を「笄髷」という。厳密にいえば「笄髷」そのものの形状は「俵状」だが、頭部左右に整えた髪を含めた全体の髪型は半月形に見える。この髪型が本種類(総称)の頭部と似ているというのが名前の由来だ。「蛭」と名付けられているが、チスイビルなどの「本当のヒル」は「環形動物」。一方、本種類(総称)は「扁形動物門三岐腸目」に属する「陸生のプラナリア」であり、ミミズやナメクジなどを食する「肉食動物」だ。「遠い親戚」どころか「赤の他人」レベルで異なる動物だと思っておこう。

 日本では2005年時点で3属18種が記録されているが、分類体系が複数あることや同定が難しいこともあって種数は確定的ではない。一言でいうなら「分からないことが多い生物」ということか。

 以上がWikipediaや図鑑の解説から読み取った私の理解の程度だが、本記事では「どの分類体系で分類した種」なんてことは判らないので、「背中側から見た外見」を図鑑やネット上写真と見比べて名前を付けている。他の記事同様、詳しいことは専門サイトで読んでもらうとして、「こんな生物を見たよ、撮ったよ!」という軽いノリで進めたい。なお通常は横480ピクセルサイズの写真を掲載しているが、スジの数が見づらい場合などには適宜横680ピクセルの写真を掲載する。写真サイズの統一性に欠けて見にくいかもしれないけれど、どうかご了承ください。

 

オオミスジコウガイビル(大三筋笄蛭Bipalium nobile)】

 袖ケ浦市の私の散歩コースの場合、梅雨時や夏の降雨の後などに湿った切通しやその近くの道路、水路の壁面によく見られる黄色の細長い生物。子供の長さは数ミリかもしれないが、これまでに観察した一番小さなもので4-5cm程度、最長は70cm程度だろうか。長さの測定は指の幅(あるいは長さ)何本分、手のひらを広げていくつ分という感じで測定し、自宅に戻ってから改めて定規で確認している。最大では1m程度にまでなるそうだ。

f:id:Unikun:20200925184456j:plain

写真1-1 小雨の降った翌日、高台脇の切通の道路沿いでみつけたオオミスジコウガイビルの頭部。この日は周辺で合計4匹を発見した。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/160秒, f=7.1。内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2020年7月15日、千葉県袖ケ浦市蔵波

 

写真1-2 全長約70cmを超えるオオミスジコウガイビル。このサイズだと流石にビビる。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/160秒, f=7.1。内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2020年7月15日、千葉県袖ケ浦市蔵波

 

写真1-3 雨が降る直前の生暖かい春の曇天日、近所の水路の50mほどの間で18匹のオオミスジコウガイビルを目撃した。7月中旬頃に見つけた個体のように長いものはおらず、8~15cm程度の長さの個体ばかりだった。上の個体の長さは10cm程度、下の個体の長さは7~8cm程度だ。クロイロコウガイビルなどもいないかと思ってしばらく観察したが、見つけることはできなかった。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=8.0。内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2022年3月26日、千葉県袖ケ浦市蔵波

 

f:id:Unikun:20200925184549j:plain

写真1-4 水路の壁でトグロを巻いてお休み中のオオミスジコウガイビル。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/160秒, f=7.1。内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2020年7月15日、千葉県袖ケ浦市蔵波

 

クロイロコウガイビルBipalium fuscatum(黒色笄蛭)】

 こちらは全身黒色で全長も80mm程度のコウガイビル

写真2-1 クロイロコウガイビル。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/160秒, f=7.1。内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2020年7月15日、千葉県袖ケ浦市蔵波

 

コウガイビルの仲間】

写真3-1 旅行先でみつけた12-15cm程度のコウガイビルオオミスジコウガイビルかと思ったが背中に1本しか黒スジがない。ネットで名前を探すが、目撃例はあるものの、種名はハッキリしなかった。そのうち図鑑で確認してみようと思っている。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/160秒, f=8.0。内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2023年6月2日、山口県立博物館脇

 

写真3-2 写真3-1の近くにいた5cm程度のコウガイビル。色がやや黒いが写真3-1と同じ種類だろう。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/160秒, f=8.0。内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2023年6月2日、山口県立博物館脇

以上