<編集履歴> 2020年10月04日公開、2021年11月19日見直し更新(第3回目、写真追加)
6月ごろから8月半ばごろにかけて海から多くのクロダイが近所の川を遡ってくる。25-50㎝程度の大きさのクロダイが30-50尾ほど泳いでいるのが川岸や橋の上から眺めることができる。40㎝を超えるようなクラスは少々驚きのサイズだが、それが何尾も回遊してくる。時々横になったり横転しているのは遊んでいるのか、餌をとっているのか。
家庭や工場からの排水が混ざる河川河口であることを知っているからか、これらを釣ろうとする人はまだ見たことがない。散歩する人々は「今日もたくさん(川を)上がってきているね~」と眺めて楽しんでいる。ちなみに近所の魚屋では2020年夏頃には25㎝クラスで300~400円程度、40㎝クラスで600~800円程度で売っていた。(追記:2020年10月末頃には35-40cmクラスで850-1200円程度)
クロダイ自体は11月中旬でも少数が川を上ってくるのが確認できるが、数多く見られるのはやはり初夏から晩夏ごろだ。
なお県水産総合研究センターの推計では、1995年度には内房地域の海には約20万匹のクロダイがいたが、2018年度には約40万匹に増加しているそうな。どうりで目につきやすくなったわけだ。温暖化も増加原因の一つらしい・・・。
写真1 水面近くで横になるクロダイ。EOS70D, EF400㎜F5.6L USM, ISO800, 1/200秒, f=7.1。手持ち撮影、トリミングあり。2020年7月3日、千葉県袖ヶ浦市
写真2 岸辺で何かをかじるクロダイ。EOS70D, EF400㎜F5.6L USM, ISO1600, 1/250秒, f=7.1。手持ち撮影、トリミングあり。2020年7月3日、千葉県袖ヶ浦市
写真3 餌を摂っているのか遊んでいるのか横転するクロダイ。EOS70D, EF400㎜F5.6L USM, ISO800, 1/200秒, f=7.1。手持ち撮影、トリミングあり。2020年7月3日、千葉県袖ヶ浦市
写真4 EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO1600, 1/125秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2021年7月13日、千葉県袖ケ浦市
写真5 EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO1600, 1/160秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2021年7月13日、千葉県袖ケ浦市
【余談】
ここ数年、千葉県の海苔生産量が大きく減っているという。その原因の一つがクロダイによる食害だという。海水温が10℃を下回ると食餌活動が低下するが、2019年末ごろの海水温は12℃だったとか。のりひびに付着して育ったノリをアッという間に食べつくしてしまうそうな。生活排水や工場排水の混ざる長浦駅周辺のクロダイに比べたらノリを食べて育ったクロダイは香味も増して美味しかろうなどと思うのだが(そういう研究もある)、同時にノリの養殖量とクロダイの水揚量を考えると、ノリを飼料にしたのではクロダイの価格も漁獲量も商業的には全く見合わないだろうなぁと思いますねぇ。当面は、都度対応で捕獲するか、のりひびの周辺を漁網で囲うかという対策しか思い浮かびません。本来なら、キチンと報告書を読んでまとめるべき話ですが、今回はTV放映番組のダイジェストだけで書いてますので、正確な数値などは未確認。「ほほう、そんなこともあるんだ!」程度に読み流してください。(2020年10月16日記)
以上