タイワントビナナフシ - 千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

<編集履歴>　2020年11月18日公開、2021年12月19日見直し更新（第4回目、2021年シーズンには見つけられなかったことを記載）

【人生初の邂逅：2020年11月13日】

　11月中旬となり、さすがにもう今シーズンはナナフシを見ることも無かろうと思いながらも買い物途中で定点観察を続けていたところ、以前から葉っぱを齧ったあとがあって「きっとこの周辺にいるに違いない」と睨んでいた場所で褐色の個体を見つけた。
　ナナフシモドキ（普通にナナフシと呼んでいるヤツね）だろうと思ってよく見ると長い翅が伸びている。あれ？ナナフシモドキにこんなに立派な翅あったっけ？それに触覚の長さが体長の三分の二を超えているぞ。これは何か違っている？？（なお左前脚は失われていた）

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写真1　タイワントビナナフシ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/200秒, f=5.6。手持ち撮影、内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2020年11月13日、千葉県袖ケ浦市久保田

　調べたところ、こいつはタイワントビナナフシSipyloidea sipylusのようだ。ナニナニ、日本の南部・西部では数多くの発見報告例があるものの千葉県では2012年になって初めての発見報告があり（原文を読んでいないが発見したのは2010年らしい）、2015年の時点ではまだ珍しい外来種だと？
　その後、2020年までのの5年間でどれだけ生息範囲を広げたのかは未だ確認してないけれど、二ホントビナナフシやトゲナナフシに続き、またしても「我が人生初の邂逅」であった。

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写真2　タイワントビナナフシ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=7.1。手持ち撮影、内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2020年11月13日、千葉県袖ケ浦市久保田

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写真3　タイワントビナナフシ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=8.0。手持ち撮影、内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2020年11月13日、千葉県袖ケ浦市久保田

【後日談】

　ネットで調べると千葉県内での発見報告は館山で二例あるだけのようだ。これはレアかもしれないと先に館山での採取報告をされた千葉県立中央博物館の尾崎煙雄先生に連絡を行った。その後、数回のやり取りをした結果、本件は千葉県昆虫談話会が発行する「房総の昆虫」誌No.68（2021年6月発行）p.90に短報「袖ヶ浦市でタイワントビナナフシを採集」として尾崎先生との連名で掲載されました。尾崎先生にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

目次（№43～№68） | 千葉県昆虫談話会

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