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航空自衛隊のC-2輸送機

<編集履歴> 2020年12月28日公開、2024年1月28日見直し更新(第7回目、写真追加)

 

 C-1輸送機の後継機として開発・製造されている国産輸送機。2023年3月末時点では17号機までが進空しており、最終的には輸送型21機、電子情報収集機4機、スタンドオフ電子戦機1機を配備する予定だ(製造・配備機数は今後変更されることもあります)。

 

【初号機】 

 C-2輸送機の1号機は2010年1月26日の初飛行以来、赤と白の試験機塗装となっているが、いつ量産型と同じ塗装にされるかは分からない。もちろん退役までずっとこの塗装となっていることも考えられるのだが。とにかく早めに岐阜基地を訪れ、青空の下で写しておきたい機体だ。当初造られた胴体部分(初飛行した胴体部分)は不具合・改設計のために新しい胴体と交換されており、「本当に"初号機"ということができる機体か?」とマニアの間ではささやかれている。胴体を交換してもなおかつ量産型とは細かな部分で異なるので部隊での運用は難しいようだ。このため岐阜基地にて各種装備やシステムの試験評価用母体として用いられたり、岐阜基地にあるテストパイロット養成コース(TPC)での実習用に用いられているようだ。2023年頃からは鼻先(ノーズコーン)を量産機のものと交換しており、ここだけ青白色になっている。

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写真1 岐阜基地に降りるC-2輸送機の初号機。EOS70D, EF70-200mmF4L USM, ISO200, 1/1,250秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2020年12月22日、岐阜基地

 

【2号機、電子情報収集機RC-2】

 2号機は2011年1月27日に初飛行し、各種の試験に供された。開発事業終了後の2016年度初めごろから電子情報収集機への改造が開始された。改造された機体は2018年2月8日に初飛行し、約2年半に渡り試験を行っていたが、2020年10月1日付で入間基地に電子情報収集機RC-2として正式に配備された。電子情報収集機は今後さらに3機程度が新造され、4機程度の体制で運用される予定だ。

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写真2 電子情報収集機RC-2は機首レドームの形状が輸送型とは異なり、また機体各所に電子情報収集用アンテナ(およびその整形用レドーム)が取付けられている。この写真は入間基地で試験を行っていた時期に撮影したものなので垂直尾翼には飛行開発実験団のマークが描かれているが、部隊運用が始まった現在ではマークは消されて何も記入されていない。また着陸後のため両主翼上に減速用のスポイラが立ったままになっている。EOS70D, EF70-200mmF4L USM, ISO200, 1/1,000秒, f=9.0。手持ち撮影、トリミングあり。2018年10月30日、入間基地

 

【量産型】

 3号機以降の量産型は美保基地第403飛行隊のC-1輸送機を更新する形で配備が行われ、2020年11月20日に量産10号機(通算12号機、08-1212)の配備により完了した。続く2021年度からは入間基地第402飛行隊のC-1輸送機を置き換える形で配備が進められている。航空自衛隊の航空基地間での物資や人員等の輸送が任務の主体だが、千葉県内では習志野演習場にて空挺降下訓練を行う際に見ることができる。この降下訓練予定は第一空挺団のHPにて確認できるが、訓練使用機種はC-2ではなくC-130Hとなる場合があることを予め知っておいて欲しい。毎年1月に行われている降下訓練始めには2018年度(2019年1月13日実施)より参加している。

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写真3-1 美保基地に降りるC-2輸送機の量産型。EOS70D, EF70-200mmF4L USM, ISO200, 1/1,250秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2017年5月28日、美保基地

 

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写真3-2 習志野演習場で空挺降下を行うC-2。EOS70D, EF400mmF5.6L USM, ISO200, 1/1,000秒, f=9.0。手持ち撮影、トリミングあり。2021年1月13日、千葉県習志野演習場外周より

 

写真3-3 習志野演習場で空挺降下を行うC-2。正面から撮影するか、あるいはやや追い気味にして撮影すると空挺降下する隊員が適度に画面に収まる。EOS70D, EF70-200mmF4L USM, ISO200, 1/1,000秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2024年1月7日、千葉県習志野演習場”降下訓練始め”一般公開行事にて

 

写真3-4 習志野演習場で空挺降下を行うC-2を正面気味に狙う。真正面から撮影するつもりで演習場の外周にいたのだが、撮影当日は風が強く、機体は向かって左手側を通過して行った。この写真に写るパラシュートは先行機から降下した隊員のもので、画面に写る機体からは、まだ降下が始まっていない。降下するタイミングも風の強さによって変わるため、良い位置関係の絵が撮れるかどうかは、その時になってみないと判らない。EOS70D, EF70-200mmF4L USM, ISO200, 1/640秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2023年1月13日、千葉県習志野演習場”降下訓練始め”の予行練習時に撮影

 

写真3-5 こちらも空挺降下を正面気味に狙ったショット。写真3-4の撮影条件だと機体がやや小さいので400mm(APS-C機なので、フルサイズ換算だと1.6倍の640mmに相当)を使って撮影したもの。EOS70D,  EF400mmF5.6L USM, ISO200, 1/800秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2023年1月13日、千葉県習志野演習場”降下訓練始め”の予行練習時に撮影

 

写真3-6 入間基地R/W35にアプローチするC-2を真正面から超広角レンズで捉える。習作(練習用ショット)だが、背景が青空であったり、適度な雲(いわし雲/ウロコ雲)などがあると良い絵になりそうだ。EOS70D, Tamron10-24mmF3.5-4.5, ISO400, 1/2,000秒, f=5.6。手持ち撮影、トリミングあり。2023年1月23日、埼玉県入間基地南端

以上