千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

千葉県袖ケ浦市や内房エリアの動植物のお話など。鉄道やヒコーキもあります。

ニイニイゼミ

<編集履歴> 2020年03月19日公開、2023年12月26日見直し更新(第17回目、写真追加)

 

 ニイニイゼミPlatypleura kaempferiは袖ケ浦市長浦駅周辺で例年最も早く鳴き始める体長20-24mm程度の小型のセミだ。体色は緑褐色系のものと茶褐色系のものがいる。雌雄の違いや成熟程度の違いかもしれないが、私自身は撮影するのみで採取して雌雄の確認はしていないうえに他人の記事すらネットで読んでいないので、これ以上のことは分からない(←公開してから2年が経過したが、まだ調べていない!2022年6月29日追記)。

 例年6月中旬から下旬ごろに声が聞こえていたように思うが、2020年は近所での初鳴きが7月3日とやや遅かった。

袖ケ浦市長浦駅周辺で鳴いていた時期>

2020年7月3日(例年よりやや遅い感じ)~9月8日 

2021年6月29日~8月20日

2022年6月28日~8月24日(関東地方の梅雨明けは6月27日と異様なまでに早かった。8月22日以降は日中不在が多く確認できず)

2023年7月5日(6月28日に横浜市戸塚区と長野県飯田市で初鳴き確認の報を入手するも30日までは鳴き声聞こえず。7月1日~5日は不在だったため初鳴き確認できず)~8月16日

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写真1  工業地帯の街路樹で鳴くニイニイゼミNikon CoolPix E3200使用。IO50, 1/360秒, f=5.6. 2009年7月30日、千葉県袖ケ浦市中袖

 

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写真2 雑草にとまっていたニイニイゼミ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=8.0。手持ち撮影、内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2020年7月30日、千葉県袖ケ浦市蔵波

 

写真3 背景が比較的綺麗だったので一枚パチリ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/250秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2021年7月20日、千葉県袖ケ浦市椎の森公園

 

【幼虫】

 6月末から7月中旬ごろの夕方から20時ごろにかけて、羽化するために成熟した幼虫が地表に出てくる。他のセミと比べると体表に泥がついているのが特徴だ。また、腹部から脚にかけて白くなっていることが多い。カビに侵されているのだろうか?

写真4 泥だらけのニイニイゼミの幼虫。腹部と後脚が白いのはカビに侵されているためか?EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=8.0。内蔵ストロボ発光、手持ち撮影、トリミングあり。2023年7月12日、千葉県袖ケ浦市長浦駅前19時20分ごろ撮影

 

【羽化】

 6月末頃から7月中旬頃にかけて、植樹の50cmほどの高さの場所でニイニイゼミの羽化を見ることができる。大抵は蚊に襲われながらの撮影になるので、それなりに対策をしたうえで観察しよう。軽く眺めるだけなら、いくらか刺されることを覚悟のうえでTシャツ・短パンにサンダル履きでもよいが、じっくり見るなら厚手の長袖シャツや防虫剤/蚊取線香なども必要か。各自のスタイルにあわせてくれればよい。

写真5-1, 5-2, 5-3 ニイニイゼミの羽化。それぞれ別個体だ。共通データ:EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=8.0。内蔵ストロボ発光、手持ち撮影、トリミングあり。2023年7月11日、千葉県袖ケ浦市長浦駅前にて

 

 同じような写真が続くが、こちらは羽化に失敗した例。羽化の最中にアリに襲われてしまったケースだ。

写真6-1, 6-2, 6-3 羽化の最中にアリに襲われたニイニイゼミ。羽化の最後には身をよじって地表に落ちてしまい、無数のアリにたかられていた。そして翌朝には影も形も無くなっていた。共通データ:EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=8.0。内蔵ストロボ発光、手持ち撮影、トリミングあり。2023年7月12日、千葉県袖ケ浦市長浦駅前にて上:20時10分ごろ、中:20時24分ごろ、下:21時26分ごろ撮影

 

【最後】

 7月後半ごろからニイニイゼミの死骸が目につくようになる。袖ケ浦市の私の散歩コース近隣では8月20日を過ぎると、ほとんど鳴き声を耳にしなくなる。

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写真7 カビに侵されて死んだ個体。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/250秒, f=9.0。手持ち撮影、内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2020年8月8日、千葉県袖ケ浦市久保田

 

以上