千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

千葉県袖ケ浦市や内房エリアの動植物のお話など。鉄道やヒコーキもあります。

イトマキヒトデ

<編集履歴> 2021年01月07日公開、2021年05月28日 見直し更新(第3回目、文章見直し、写真追加)

 

 北は千島列島の南部から南は黄海まで、内湾の浅い海底に生息する輻長(ふくちょう、中心から腕の先までの長さ)4~6cmほどの大きさのイトマキヒトデ。日本国内ではどこでも、ごく普通に見られるヒトデだ。

 本来ならば学名は一つしかないのが原則だけど、本種はPatiria pectiniferaのほかにシノニム(異名)としてAsterina pectiniferaやAsteriscus pectiniferaという学名が存在する。関係する学会の最新情報を追っていけば「今後、本種は***と呼ぶことにする」という定義決議文が出てくるのだろうが、私自身はそこまでの追跡調査をしていないため、「今の私の知る限りでは3種類の学名が存在する」と書いておこう。 「××年の××学会での決定で***と呼ぶことに決まったよ」という情報をご存知の方がおられましたら、コメントいただければ幸いです。

 

 さて、そのイトマキヒトデ

 内房では「岸壁や磯でよく目にするけれど、磯遊びついでに撮影するには少しばかり深くて難しい」位置にいることが多い。それでも大潮の際に磯に行くと大抵1~2匹は「なんとか撮れる場所にいる」。「なんとか撮れる」とは「なかなか思うような写真を撮らせてもらえない」というコトなのだが、何度も磯に通えば他人に見せられるショットも増えてくる。そんな写真を紹介しよう。

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写真1 岩の上にいたイトマキヒトデPentax Optio WG-1, ISO200, 1/200秒、f=5.3。手持ち撮影、トリミングあり。2012年4月1日、福岡県能古島

 

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写真2 輻長55mm程度の「普通の大きさの個体」。レンズ表面に水滴がついていたまま撮影してしまったため右半分がぼやけている。Pentax Optio WG-1, ISO400, 1/1500秒、f=4.6。手持ち撮影、トリミングあり。2020年4月25日、千葉県浜金谷駅周辺

 

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写真3 海中にいるイトマキヒトデの体表の隙間からプツプツと半透明の組織が無数に顔を出している。これは皮鰓という皮膚呼吸をするための器官。体表の外骨格の隙間から内部の膜が出てきたもので触ると引っ込む。Pentax Optio WG-1, ISO400, 1/1000秒、f=4.6。手持ち撮影、トリミングあり。2020年4月25日、千葉県浜金谷駅周辺

 

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写真4 皮鰓を出している様子をもう一枚。うでの付け根あたりにあるヒモ上のものは海底のゴミだ。腕の先端からは管足を延ばしている様子がわかる。カメラの性能上、画面中心から四方に平がるにつれて「流れる」ような画像となってしまうが、3万円でお釣りがくるようなカメラなので諦めよう。レンズだけで30万円ほどの投資をすれば、かなりキレイに撮ることが出来る・・・ハズだ。Pentax Optio WG-1, ISO400, 1/250秒、f=4.6。手持ち撮影、トリミングあり。2021年5月26日、千葉県上総湊駅周辺

 

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写真5 身体の表面全体から皮鰓を出しているイトマキヒトデPentax Optio WG-1, ISO400, 1/320秒、f=4.6。手持ち撮影、トリミングあり。2021年4月28日、千葉県浜金谷駅周辺

 

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写真6 やたら体高が高いと思ったら殻径2cmほどのムラサキウニを食べている最中だった。半透明な胃袋でウニを包み込もうとしているトコロの写真だが、肝心な胃袋の写っている辺りのレンズ前面に水滴がついており、ボヤケてしまった。かなり悔しい失敗だ。Pentax Optio WG-1, ISO400, 1/1500秒、f=4.6。手持ち撮影、トリミングあり。2020年4月25日、千葉県浜金谷駅周辺

以上