千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

千葉県袖ケ浦市や内房エリアの動植物のお話など。鉄道やヒコーキもあります。

マダラウミウシ

 マダラウミウシDendrodoris rubraはくすんだ黄色~黄橙色の地色に不規則な黒の斑点があるウミウシの仲間だ。潮だまりで見つけられる個体の体長は20~60mm程度だが、100mm程度までは大きくなるという。内房ではおおね上総湊以南の潮だまりでよく見かけるが、千葉県浦安の三番瀬でも2019年6月に採取した話がネット上に存在する。袖ケ浦市北袖、中袖、南袖の岸壁では見つけたことがない。海綿を食するので海綿のある岩場を探すと発見する確率が高くなることだろう。

 かつての学名はDendrodoris nigromaculataだった(標準原色図鑑全集第16巻海岸動物(昭和46年5月25日初版発行、昭和58年8月1日14刷に記載)が、いつの間にかD.rubraとなっている。分類学が進歩した証なのだが、いつ頃変わったのかということまでは確認していない。またシノニム(異名)としてDendrodoris fumataがある。ついでにクロシタナシウミウシと同種とする分類もあるが、どうやらこの説は否定され、別種だと認識されつつあるように思える。今後の研究に期待したい。

f:id:Unikun:20210107195907j:plain

写真1 マダラウミウシPentax Optio WG-1, ISO200, 1/80sec. f=3.8。手持ち撮影、トリミングあり。2012年6月24日、神奈川県油壷

 

f:id:Unikun:20210107195941j:plain

 写真2 マダラウミウシPentax Optio WG-1, ISO400, 1/1000sec. f=4.6。手持ち撮影、トリミングあり。2013年6月9日、神奈川県油壷

 

以上

編集履歴

2021年01月07日 公開