千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

千葉県袖ケ浦市や内房エリアの動植物のお話など。鉄道やヒコーキもあります。

アカヒトデ

<編集履歴> 2021年06月13日公開、2021年09月23日見直し更新(第1回目、写真追加)

 

普通に「ヒトデ」と言ってイメージするのはコイツ!という代表種でしょうかね?

 アカヒトデCertonardoa semiregularis は海中で目立つ鮮やかな赤みがかったオレンジ色をした、身体の中心部から腕の先端までが8~10cm程度比較的大型のヒトデだ。通常はやや深いところ(水深3~5mより深いトコロ)にいますが、国内各地の漁港の海底付近で見られることがある。水揚げする際に不要なので捨てられた個体でしょうかね?実際に生息している個体は2011年夏頃に福岡県宗像市大島のかんす海水浴場でシュノーケリングしていた際に沖合の堤防付近で見つけたことがある。その時の水深はやはり3m程度だったと記憶している。

 アカヒトデの腕の中にはアカヒトデヤドリニナStilifer akahitodeという殻長9mm程度にまでなる巻貝が寄生していることがある。この場合には寄生した部分だけポッコリ膨れ上がった瘤になっているので見た目で判る。

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写真1 漁港の船を引き上げる斜面の先端部、水深20㎝程度のところにいた「輻長」(ふくちょう、中心から腕の先までの長さ)10cm程度のかなり大き目なアカヒトデ。右下の腕に瘤があるのでアカヒトデヤドリニナが寄生しているのだろう。画像左脇が不自然にぼやけているが、湧出水がある場所の近くなので屈折率に変化が生じているのだろう。このため何枚撮ってもピントが合わず、ある程度海水をかき混ぜて均一化させ、湧出水により屈折率が異常となる水塊が画面に入る前にシャッターを押すようにした。Pentax Optio WG-1、ISO400、1/640秒、f=4.6、手持ち撮影。トリミングあり。2021年6月12日、千葉県浜金谷駅周辺。

 

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写真2 写真1の個体の中央部を接近して撮影。足を滑らせないようにと接近し、ピントが合うようにと海水をかき混ぜているうちにアカヒトデヤドリニナの寄生した(と思われる)瘤の拡大写真を撮ることは頭から消え去っていた・・・。帰宅してから思い出して「あっ!撮っておけば良かった!」と後悔。Pentax Optio WG-1、ISO400、1/640秒、f=4.6、手持ち撮影。トリミングあり。2021年6月12日、千葉県浜金谷駅周辺。

 

【余談】

 撮影場所のすぐ近くには漁船が捨てた魚の死骸がいくつか沈んでいたり、腐敗してガスが溜まり浮遊していたり・・・。珍しい生物を撮影することを優先するか、腐ったものを敬遠するために眺めるだけにするか?しばし悩んだけれど、結局は写真撮影を優先させた。汚れた手足は洗えばいいさ、たとえ臭いが付いてもタンパク質分解系の臭いだから、数日もすれば分解されて無くなるハズだ・・・。そう自分に言い聞かせて。

 

【2021年9月21日、浜金谷】

 浜金谷の漁港では網にかかったこのヒトデを投げ捨てるためか、時々船着き場の撮影可能な場所で見つけることができる。この日も水深20cmほどのところを移動中の輻長7cm程度の個体を見つけた。上述した写真1,2の個体より小ぶりだが、私自身が目にしている中では標準サイズだ。

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写真3 風がある日だったので波の影響で光の筋が写り込む。Pentax Optio WG-1、ISO400、1/1,250秒、f=4.6、手持ち撮影。トリミングあり。2021年9月21日、千葉県浜金谷駅周辺。

 

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写真3 陽が陰って光の筋がなくなったところを撮影。写真2と同じような構図だ。浅い水深下でのアングルはもう少し考えないといけないなぁ。Pentax Optio WG-1、ISO400、1/320秒、f=4.6、手持ち撮影。トリミングあり。2021年9月21日、千葉県浜金谷駅周辺。

以上