<編集履歴> 2020年04月10日公開、2023年12月17日見直し更新(第3回目、写真追加)
成長につれて名前が変わる魚を「出世魚」と言い、ブリ、スズキ、ボラ、マグロ、クロダイが知られている。
ボラの場合は春先に卵から生まれ、初夏(6~7月頃)には体長が6~7cmほどになるが、この程度の大きさのものをオボコあるいはスバシリなどと呼ぶ。地方によって対象となる大きさや呼び名が異なるので、キッチリカッキリ分類する必要はない。これはこのあとの段階や他の出世魚でも同じだ。
晩秋に体長が20cmほどを超えるようになるとイナと呼ぶ。そして孵化から一年が過ぎた春ごろには約30cmの成魚となり、これをボラと呼んでいる。ボラはさらに成長を続け、50cmを超えるようになるとトドという。このあたりで成長は止まる。「トドのつまり」の語源だ。
ボラの卵巣を干したものをカラスミと呼ぶ。またボラは雑食性で胃袋(幽門部)の筋肉が発達している。このことから「ボラのへそ」あるいは「そろばん玉」などと呼ぶことがある。「ボラのへそ」で検索してごらん。食材としてのボラの胃の写真が多数見つかるよ(なお食材としてボラの胃はウスと称することもある)。
写真1 オボコとかスバシリと呼ばれる全長7-10cm前後のボラ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/500秒, f=9.0, 手持ち撮影、トリミングあり。2021年6月7日、千葉県袖ケ浦市
写真2 夏の終わりごろには10-15cm程に成長したボラの子供が河口に群れている。オボコとかスバシリと呼ばれるサイズのうちのやや大きめのものだ。EOS70D, EF400mm5.6L, ISO400, 1/500秒, f=7.1、手持ち撮影、トリミングあり。2016年9月4日、千葉県袖ヶ浦市
写真3-1, 3-2 年末の河口に群れる17-20cm程度のボラの若魚。感覚的には"イナ"の手前というくらいのサイズだ。3-1: EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400、1/640秒, f=8.0, 手持ち撮影、トリミングあり。2023年12月13日、千葉県袖ケ浦市蔵波。3-2: EOS70D, EF400mm5.6L, ISO400, 1/640秒, f=8.0、手持ち撮影、トリミングあり。2023年12月17日、千葉県袖ヶ浦市蔵波
写真4 全長50cm以上となったボラ(トドという)が春先の水路をゆうゆうと泳ぐ。EOS70D、EF70-200mmF4L IS USM、ISO400、1/160秒、f=6.3、手持ち撮影、トリミングあり。2019年3月30日、長崎県長崎市
【ボラのジャンプ】
岩国基地の脇でヒコーキ写真を撮影していた時、脇ではボラが何度も飛び跳ねていたので撮影を試みた。70-200mmの中望遠ズームレンズを最望遠程度にして、バシャバシャ跳ね上がる水面に向けしばらく待つ。魚が跳ねたら、すかさずカメラの中央で捉えてシャッターを押すのだ。20-30分程度の間に1魚体が画面に入ったショットが10カットほど撮ることができた。これらのうち、比較的良好なものをオニのように拡大して掲載するが、残念ながらピントの合ったものは一枚も無かった。
いや~、なかなか難しいものだなぁ。
写真5-1, 5-2, 5-3, 5-4 春先の河口。夕暮れ時に30-40cm程度の成魚が次々とジャンプを繰り返す。共通データ:EOS70D、EF70-200mmF4L IS USM、ISO200、1/1000秒、f=8.0、手持ち撮影、トリミングあり。2020年4月6日、山口県岩国市
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