千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

千葉県袖ケ浦市や内房エリアの動植物のお話など。鉄道やヒコーキもあります。

ムツゴロウ

<編集履歴> 2021年10月22日公開

 ムツゴロウは有明海に生息するハゼの仲間だ。

 最初に念のため書いておくが、千葉県袖ケ浦市周辺には生息していない。

 魚影自体は3月ごろから11月末ごろまで、干潮時には有明海の広大な干潟の上で観察できるが、メインは5月末ごろから7月中旬ごろにかけての婚姻期だ。この時期は雄同士の縄張り争いでジャンプしたり、背びれを立てたりと「絵になるシーン」を高頻度で見ることができる。ピークは6月中~下旬ごろだろう。時期が早かったり遅かったりすると魚は見えるが静かに這い回るだけなので面白くはない。

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写真1 撮影場所と時間次第だが、今回の撮影旅行では順光でジャンプを捉えることのできた写真はごくわずかだった。これは今回の旅行でのベストショット。EOS70D, EF400mmF5.6L USM, ISO400, 1/800秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2021年6月25日、佐賀県塩田川河口付近

 

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写真2 逆光でのジャンプショット。EOS70D, EF400mmF5.6L USM, ISO400, 1/1,000秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2021年6月25日、佐賀県塩田川河口付近

 

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写真3 もう一枚。魚体の向きによっては背びれが目立たない。EOS70D, EF400mmF5.6L USM, ISO400, 1/1,000秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2021年6月25日、佐賀県塩田川河口付近

 

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写真4 ドアップでこんな写真が撮れれば文句はないが、撮影した原画の1/16程度をトリミングしてお見せしている。EOS40D, EF400mmF5.6L USM, ISO400, 1/1,000秒, f=7.1。手持ち撮影、トリミングあり。2010年7月25日、佐賀県塩田川河口付近

 

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写真5 縄張りを争うムツゴロウ。大きく口をあけ、背びれを立てて威嚇し、時にはジャンプする。EOS70D, EF400mmF5.6L USM, ISO400, 1/1,000秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2021年6月25日、佐賀県塩田川河口付近

 

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写真6 巣穴近くにやってきたヤマトオサガ二を追い払うところ。EOS70D, EF400mmF5.6L USM, ISO400, 1/1,000秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2021年6月25日、佐賀県塩田川河口付近

 

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写真7 干潟を望む。あちらこちらでムツゴロウが背びれを立て、またジャンプしている。ヤマトオサガ二も多いぞ。EOS70D, EF400mmF5.6L USM, ISO400, 1/1,000秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2021年6月25日、佐賀県塩田川河口付近

 

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写真8 5月中旬ごろのムツゴロウは時々背びれを立てるものもいるが、総じてまだ大人しい。下旬になると飛び跳ねるものも目にするようになる。右下にいるのはムツゴロウではなくトビハゼの一種だと思われる。EOS40D, EF400mmF5.6L USM, ISO400, 1/1,000秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2011年5月14日、佐賀県塩田川河口付近

 

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写真9 秋には魚影は見えるが大人しくしている。夕暮れの時間帯での撮影だ。EOS40D, EF400mmF5.6L USM, ISO400, 1/1,000秒, f=7.1。手持ち撮影、トリミングあり。2010年10月10日、佐賀県塩田川河口付近

 

塩田川河口について】

 私は2010年春~2012年春の2年間、博多に住んでいた。この間、何度かムツゴロウを観察するために有明海周辺をうろついており、その中で条件の良い撮影ポイントが塩田川河口付近の船着き場だった。ここは桟橋が干潮時の川面近くまで伸びていたうえ、干潟が段丘状になっていたので、かなり低いアングルで魚体を撮影することができたのだ。そんな記憶を頼りに10年経過した2021年6月に現地を再訪したのだが・・・。

 船着き場は既に使われなくなって久しいようで、かつての桟橋の後に杭は残っていたものの踏み板は無くなり、岸から川面近くに行くことは出来なくなっていた。

 ムツゴロウ自体は有明海周辺の河川の河口付近の干潟であれば、どこにでもいる魚であって、どこででも撮影できる。だけど構図の自由度が大きく、かつ順光で接近して撮影できる・労せずに低いアングルで撮影できる・撮影場所の近くに駐車でき、かつ邪魔にならないなどの撮影条件を十分に満たす場所は意外に少なかったのだ(2010-2012年ごろの調査結果)。その中でここ塩田川河口付近はベストポイントだったのだけれどな。

 次回訪問する際には、また撮影ポイントを探さにゃアカンですね。そのつもりで撮影計画を立案しなくっちゃ・・・。

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写真10 かつての船着き場の跡。渡り板もなくなっていた。EOS70D, EF-S18-55mmF3.5-5.6L IS STM, ISO100, 1/200秒, f=8.0。手持ち撮影。2021年6月25日、佐賀県塩田川河口付近

以上