千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

千葉県袖ケ浦市や内房エリアの動植物のお話など。鉄道やヒコーキもあります。

ナナフシモドキ(その3、2022年度対応版)

<編集履歴> 2022年4月16日公開、2022年11月19日見直し更新(第5回目、2022年シーズンまとめ実施)

 

<2022年4月16日>

ナナフシモドキを見つけてから3シーズン目。

 今シーズンは孵化直後の幼虫をみつけるぞ!と思っていたのだが、さまざまな事情が重なり、観察時間を十分に取れないままに4月中旬(16日)になってしまった。昨年の例から考えると、もう遅いよな。

 さて昨年ナナフシモドキを多量に見つけたポイントは、今年も冬の間に伐採されちゃったりして発見環境が悪くなっている。また一から生育ポイントを探さなくっちゃいけないな~(やれやれ)という状況だ。4月10日前後に数回、近所の「いそうな場所」を探してはいるのだが、まだ一匹も目にしていない。

 なお一昨年秋にタイワントビナナフシを見つけた茂み周辺もかなり伐採されちゃったので、同じ場所での再発見は望み薄。昨年2か所で各一匹を見つけたニホントビナナフシの生育場所はほぼ現存しているが、もともとどこが生育ポイントなのか分かっていない(一昨年多量に発生していたひこばえは昨シーズン前に伐採されてそのまま)。トゲナナフシも近所にいることは間違いないが、どこで生息しているのか把握していない。

 昨年はナナフシに注目し過ぎた結果、他の生物(特に海産生物)の撮影回数が減ってしまった。「孵化後の幼虫を撮る」という時期限定テーマを逃したようなので、今年はナナフシ類に関する「虫撮り」のテーマはたくさんあるのだけれどそれは放っておいて、海に遊びに行く回数を増やそうかなどと思っている。

 さてさてこんな調子で始まった今年度のナナフシのお話(メインは数多く発見するナナフシモドキね)。話題があるごとに本文を更新していくつもりです。ご期待(?)くださいネ!(2022年4月16日記)

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写真1 上記の文章を書いてから買い物にでかけると、1時間ほどの間に都合3か所で約10匹のナナフシモドキの幼虫(全長約19mm、自分の右手中指先端の横幅と同等くらい)見つけてしまった。前脚を伸ばした写真の状態で端から端までで27mm程度だろうか。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=9.0。内蔵ストロボ発光。手持ち撮影。トリミングあり。2022年4月16日、千葉県袖ケ浦市久保田

 

<2022年5月12日>

 本日までに長浦駅前、久保田、蔵波、蔵波台、椎の森公園周辺の買い物・お散歩コースにて、昨年までにナナフシモドキを見つけた場所の8割ほどの観察点で全長(触角の先からお尻の先まで)が18~27mm程度の幼虫を見つけている。1~2令というところだろうか。あえて写真を撮るほどではないので観察記録のみを記しておく。

 

<2022年5月14日>

 散歩途中で全長が指3本分(約55mm)にまで成長したナナフシモドキを1匹見つけた。カメラを持っていなかったので、観察記録のみを記しておく。

 

<2022年6月2日>

 この日もカメラを持たずに散歩をしていたが、これまでにナナフシモドキを見つけている数か所で合計9匹ほど、指3本半分(約60mm程度)の個体を発見。いずれも緑色だった。そろそろ茶色個体が見られるようになり、6月末あたりから成虫となって姿が見られるなくなるハズだ。

 

<2022年6月18日>

 過去2年の経験から、そろそろ目の高さの茂みでは見られなくなるシーズン(というか大きくなって移動能力が高まるので水平・垂直方向に移動してしまい、見つけにくくなるのだな)。足元から4メートルくらいの高さまでまんべなく観察するというのは「毎日の買い物ついでの散歩途中で撮影する」というスタイルでは無理な話だ。この日は目線よりやや高めの場所の観察をしてみたところ、各地で75mm程度(指幅4本分と少し)のナナフシモドキを明らかに異なる4つのエリアで合計15匹ほど見つけた。うち2匹は茶色個体、その他は緑色個体だった。

写真2 全長(触角の先からお尻の先まで)が40mm程度を超えると茶色個体を目にするようになるが、このサイズ以下の個体に茶色のモノはいないのか?目にしないだけなのか?EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/200秒, f=9.0。内蔵ストロボ発光。手持ち撮影。トリミングあり。2022年6月17日、千葉県袖ケ浦市蔵波

 

<2022年6月29日>

 過去2年は7月以降にナナフシモドキを見つけることがほとんどできなかった。上述した通り、1~3令程度(35mm程度)の幼虫は移動能力が十分でないので親虫が卵を産み落とした周辺に「密になって」いるが、55mm程度を超えるあたりから水平および垂直方向への移動も活発になるので、見つけにくくなるものと考えている。多くの場合は「葉の上」にいるのだが、自分の頭より高い位置の樹木の葉の上にいると、下からでは分からないのだな(時折見える脚や腹の先っちょなどで見つけられることがある)。さて、今日はこんなことを考えながら、幼虫の時に「密」になっていた茂みの「周辺」をを重点的に足元から地上高4m程度までを丁寧に探してみた。その結果、105mm程度(掌の5本の指を並べたところより少し大きいサイズ)の個体を10数匹を見つけることができた。今シーズン最多発見数/エリア/時間である。その半数程度はおおむね2m以上の高さの場所にいたので、「大きくなると垂直方向にも移動するようになる」という仮説を確認した形となった。水平方向への分布のばらつきは、これまでに観察されていた範囲内だ。

今年の今後の目標は7~10月にかけて成虫を見つけること。そして9月中旬にはすべて落葉する桜並木にいるはずの成虫の行方を追うことの2点である。

写真3~5 それぞれ全長(触角の先からお尻の先まで)が105mm程度(指5本分チョイ)の成虫。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/160秒, f=7.1。内蔵ストロボ発光。手持ち撮影。トリミングあり。2022年6月29日、千葉県袖ケ浦市久保田

 

<2022年7月11日>

7月10日と11日に、上述した6月29日に10数匹を見つけた場所をかなりの時間をかけて探したのだが、2匹しか見つけることができなかった。捜索範囲を7mほど広げたところもう一匹を発見。その他の観察場所でもほとんど目にしなくなった。一方でこれまで生息していた場所から数mから20mほど離れた場所の、地表から30cm~4m程度の高さで1匹2匹と見つけることが増えてきた。低い茂みでも見つけられるので「高い所を好む」ワケではないようだ。中には「こんな場所では初めて見つけた!」という事例もある。やはり成長するにつれて移動能力が高まったために「目につく生育場所で密集していた状態」でいたものが「三次元空間的(左右、前後、上下)に広がるように移動して「(主に高くて)人目につきにくい場所」へと拡散しているのだろう。またこの数日では、ほとんどの個体は105mm程度(手のひらの横幅程度)の大きさとなっているが、数匹は75mm程度(指4本分程度)の個体も2匹ほど見かけている。五体満足な個体が貴重になりつつあり、大抵は1~2本の脚を失っている。若いうちに失った脚が脱皮ごとに再生しているのか、長さの極端に短い脚を持つものもいる。自然界で生き残るのは大変なんだなぁとつくづく思う。

写真6 地表高2mほどの場所にいた105mm程度の大きさの2匹のナナフシモドキ。このサイズで複数の個体が一画面に入るほど「密」な状態で存在しているのは「ウチの近所では」比較的珍しい。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/100秒, f=8.0。内蔵ストロボ発光。手持ち撮影。トリミングあり。2022年6月30日、千葉県袖ケ浦市蔵波

 

写真7 「きっと高い場所にいるに違いない」と考え、これまで多数を見つけた茂みの周辺の木の上をジックリと探すと、地表高3mほどの枝の上にいた手のひらの幅サイズ(105mm程度)の個体をみつけた。このように頭上に居るとさすがに見つけにくいよなぁ。きっとこんな感じで秋に成熟するまで暮らしているのだろう。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/160秒, f=7.1。内蔵ストロボ発光。手持ち撮影。トリミングあり。2022年6月30日、千葉県袖ケ浦市蔵波

 

<2022年7月20日

 C11と名付けた観察ポイントには6月中旬ごろには10匹近くのナナフシモドキを見ることができたが、7月12日ごろには3匹程度しか見られなくなり、7月20日に1時間近くかけて丹念に探したけれどもついに一匹も見つけることはできなくなってしまった。今年も7月後半以降にナナフシモドキを見ることは困難なのだろうか。

 

<2022年8月17日>

 しばらく見つけることができない日が続き、「今年はもう見られないか・・・」と諦めかけていましたが、お散歩コースの4か所(観察ポイントB3, C4, C7, C10)にて合計5匹、105mm程度のナナフシモドキ成虫を発見!褐色個体4匹、緑色個体1匹であります。うち4匹は目の高さより下、1匹は高さ2.5mほどの所に居た。成虫になると行動範囲が広がるので高い所でも見つかるようになるが、けっして「高い所を好む」というワケではないと考えている。昨シーズンの最も遅い発見日が8月21日でしたので、若干早いけれど「8月中旬に確かに生息している」ことが確認されましたのでよしとしましょう。さぁ、今年は8月末以降も発見できるでしょうか(結果としてはこれが今シーズンに見つけた最後の事例となった)。横浜市戸塚区の住人からしばらく前(詳細な時期不明)にスズメがナナフシを路上でつついている姿を見かけたという話を聞いたので、やはり捕食者(鳥、カマキリ、クモなど)に襲われるケースもあるのだろう。

写真8 8月中旬に確かに生息している、という証拠が得られた。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/200秒, f=8.0。内蔵ストロボ発光。手持ち撮影。トリミングあり。2022年8月17日、千葉県袖ケ浦市久保田

 

【最後に】

2023年シーズン以降はナナフシ以外の生物に注目しようと考えています。このためナナフシの記事を原則としては記載しません。あしからず!

以上