千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

千葉県袖ケ浦市や内房エリアの動植物のお話など。鉄道やヒコーキもあります。

カイメン

<編集履歴> 2023年4月13日公開

 

 カイメン(海綿)。英語でスポンジSpongeと言い、手のひらサイズ程度の形の良いものはデパートの化粧品売り場などでも見られるが、内房の磯の岩場に張り付いているのはおおむねクロイソカイメン、ダイダイイイソカイメン、ムラサキカイメンあたりだろう。漁港に行くと網にかかり打ち捨てられたその他のカイメンを目にすることもある。モゾモゾ動くようなことはない(実際は少し動く、というか形態を変化させる)がれっきとした動物だ。もっとも原始的な動物は「カイメンか?クシクラゲか?」という論争が2017年頃に行われていたようだが、専門ではないのでその後のことは知らない。現在では海綿動物門の下に六放海綿綱、普通海綿綱、石灰海綿綱、同骨海綿綱という4つのグループがあり、8,500種ほどが存在している・・・。

 細かいことはWikipediaや専門サイトなどに任せるとして、主に内房で見られた種類について写真を紹介しておこう。

【クロイソカイメン】

 国内各地の磯で見られるカイメン。内房の私が訪問した場所では最も多く(広い面積で)目にしているカイメンだ。

写真1 クロイソカイメン。Pentax Optio WG-1、ISO400、1/640秒、f=4.6、手持ち撮影。トリミングあり。2021年4月28日、千葉県浜金谷駅周辺

 

写真1-2 干潮時に水面上に露出したクロイソカイメン。Pentax Optio WG-1、ISO400、1/250秒、f=4.6、手持ち撮影。トリミングあり。2021年5月26日、千葉県上総湊駅周辺

 

【ダイダイイソカイメン】

 オレンジ色で目立つカイメン。内房のどこでも見られるがクロイソカイメンの付着している面積を10とすると2~3程度の範囲でしか目にしない。なお、このような生育情報は観察場所や年により大きく変わるので、あくまで個人的な感覚による参考情報と考えてほしい。

写真2-1 ダイダイイソカイメン。Pentax Optio WG-1、ISO400、1/1,000秒、f=4.6、手持ち撮影。トリミングあり。2022年5月3日、千葉県浜金谷駅周辺

 

 

写真2-2 小さなダイダイイソカイメンの群落。Pentax Optio WG-1、ISO400、1/1,500秒、f=4.6、手持ち撮影。トリミングあり。2022年3月8日、千葉県浜金谷駅周辺

 

写真2-3 これもダイダイイソカイメンだろうか?ちょっと自信なし。高さ2~3cm程度。Pentax Optio WG-1、ISO400、1/400秒、f=4.6、手持ち撮影。トリミングあり。2021年5月26日、千葉県上総湊駅周辺

 

【ムラサキカイメン】

 岩陰にひっそりとこびりついているようなムラサキ色をしたカイメン。本種も内房各地で見られるがクロイソカイメンの付着している面積を10とした場合に見られるのは1未満というレア種だ。繰り返すが、このような生育情報は観察場所や年により大きく変わるので、あくまで個人的な感覚による参考情報と考えてほしい。

写真3-1 ムラサキカイメン。掲載した写真の横幅はせいぜい5cm程度だ。Pentax Optio WG-1、ISO400、1/160秒、f=3.8、手持ち撮影。トリミングあり。2021年5月26日、千葉県上総湊駅周辺

 

【その他】

写真4-1 漁港に捨てられていたカイメン。一番長くて大きい部分で長さ25cm程度、直径は4cm程度。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO100, 1/250秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2023年3月8日、千葉県浜金谷

 

【参考】

・「カイメン すてきなスカスカ」椿玲末、岩波書店(2021)

・ネットにて「カイメン」「海綿」で検索した数多くのサイト

以上