千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

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ツノメガニ(沖縄)

<編集履歴> 2023年04月26日公開、2023年06月15日見直し更新(第1回目、コメント追加)

 

 ツノメガニは最大で甲幅4cmほどの大きさになるカニで、その名が示す通り縦長の目の上に角のような突起がある。この突起は雄は長く、雌は短めだ(もしくはほとんど無いような記述もある)。この突起は成長するに従って長くなるので若い個体(甲幅が2cm程度あたりかな)では「突起はほぼ無い」ようだ。体色は甲羅の背側はおおむね砂色(ほぼ白から薄茶色)で甲の中央付近にやや黒ずんだ斑紋がある。腹側は砂色や紫色など個体変異がある。はさみは白いが、その他の足の色は腹側の色と同様に個体変異がある・・・ということだそうな。

 なお九州以北では熱帯地方から流れ着いた幼生が着底するため、夏の後半から見られるようになるが、寒さに弱くてほとんど越冬できないという(「海辺のエビ・ヤドカリ・カニハンドブック」渡部哲也、文一総合出版(2014))。若いカニしか見られないので「九州ではツノメになっているツノメガニはまず見られない」ということになる。

 

 さて2023年4月25日のお昼ごろに沖縄県うるま市浜比嘉島の海岸を訪問したところ、甲幅3cm程度のツノメガニが一匹、波打ち際にいた。ゆっくりと近づいたところ、逃げなかったので何枚も角度を変えて撮影することができた。

写真1-1~1-4 波打ち際にいたツノメガニ。全て同一の個体だ。共通データ:EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO100, 1/400秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2023年4月25日、沖縄県うるま市浜比嘉島

 

 同じ海岸では直径8~10cm程度の砂が下から何かに突き上げられたようになっていた場所が一か所あった。試しに指を突っ込んでみると、すぐに崩れてその下は空洞となっており、中から一匹のツノメガニが飛び出してきた。カニは直ちに海中へと逃げて行ったが、近くにカニ穴があったわけではない。波でカニ穴が消えてしまったのか、それともキンセンガニのようにカニ穴を作らずに砂に埋もれていたのかな・・・?

 

 こちらは国道58号線沿いの恩名村博物館前の浜にいた甲幅2cm程度のツノメガニ(?違うような気もする・・・眼柄の根元の付き方違くね?スナガニじゃね?)。目の上の”ツノ”が確認できないので、雌の若い個体だろうか?風に乗るように走ってきて足元に近づき、しばらくするとまた風に乗るようにして去っていった。

写真2 甲幅2cm程度の若いツノメガニ。Pentax Optio WG-1、ISO400、1/1,500秒、f=4.6、手持ち撮影。トリミングあり。2023年4月25日、沖縄県恩名村博物館前の浜にて

以上