千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

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オオイワガニ(沖縄)

<編集履歴> 2023年5月14日公開

 

 オオイワガニ(Grapsus tenuicrustatus)はハワイ、オセアニアを含む太平洋西部からアフリカ大陸東岸のインド洋にかけて広く分布しており、国内で小笠原、奄美大島以南の暖海で見られるとのこと。ここでは沖縄で撮影した写真を紹介する。成長すると甲幅は7cmに達するそうで、磯では比較的大型のカニだ。

 ネット上ではイワガニ科の近縁種であるミナミイワガニと写真および解説が混同されている例がいくつか見られる。本来、カニの分類は目と目の間の棘の状態や目から肩口にかけての棘の状態で分類するようだが、数メートル先から中望遠レンズで撮影していると細かいところまでは分からない。そこで体色や紋様で見分けているが、今回は(ネット上で混同されて紹介している例がいくつかあったので)次の文献の図5Hと図6Aにある標本写真に基づいて分類している。紋様が明らかに違うだろ!という突っ込みは別にして、ザックリ言えば、より明るい緑色をしているカニがミナミイワガニ、全体的に暗く(暗緑色から暗赤褐色)で白いツブツブが多いのがオオイワガニという程度の分類だ。2023年4月に浜比嘉島で見かけた例だけでいえば、ミナミイワガニが垂直に切り立った岸壁に多く見られたのに対してオオイワガニは比較的傾斜の緩い場所で見られたということか。同じエリアで棲み分けているのだろうかね?

・参考文献:

https://www.city.miyakojima.lg.jp/soshiki/kyouiku/syougaigakusyu/hakubutsukan/files/2017fujita.pdf

・参考記事:ミナミイワガニ - 千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

写真1-1 甲幅5~6cmと比較的大きなサイズのオオイワガニ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO800, 1/160秒, f=8.0。内蔵ストロボ発光、手持ち撮影、トリミングあり。2023年4月25日、沖縄県浜比嘉島

 

写真1-2 オオイワガニ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO800, 1/250秒, f=9.0。内蔵ストロボ発光、手持ち撮影、トリミングあり。2023年4月25日、沖縄県浜比嘉島

 

写真1-3 オオイワガニ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/250秒, f=9.0。内蔵ストロボ発光、手持ち撮影、トリミングあり。2023年4月25日、沖縄県浜比嘉島

 

写真1-4 オオイワガニ。当日見かけた個体の中で垂直面にいたのは珍しい例だった。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/160秒, f=8.0。内蔵ストロボ発光、手持ち撮影、トリミングあり。2023年4月25日、沖縄県浜比嘉島

以上