千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

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C-130輸送機

<編集履歴> 2024年1月26日公開

 

 アメリカのロッキード社製の四発輸送機C-130ハーキュリーズベトナム戦争以前の1954年8月23日に原型機(2号機)が初飛行して以来、次々にバージョンを更新しながら、基本的な外形(見た目)は変わらないままで飛び続けている(本記事ではベトナム戦争の期間を1955年11月1日から1975年4月30日としておく)。

 本機は世界中の約70か国で軍用機あるいは民間型が使われているベストセラー機であり、航空自衛隊海上自衛隊在日米軍(空軍と海兵隊。海軍機は飛来することはあるが、駐留はしていない)でも使用されている。千葉県内では習志野演習場での空挺降下訓練の際に航空自衛隊保有機を見ることができる。また例年1月10日前後に行われる降下訓練始めの行事の際には米空軍機が参加することがある。時おり、各国空軍機や民間型機が成田国際空港など国内民間空港にも姿を見せている。このため基地反対派などが「自衛隊機や在日米軍機がうるさい!」とSNSに掲げた写真に写っていたのが、全く関係の無い国籍の機体であったという話も過去にはあった(しかも極めて稀にしか見ることのできない国籍の機体の写真が写っていたので、マニアの間で話題になった)。

 千葉県内でよく見られる自衛隊機のみの紹介に留めようかと一時は思ったが、細かく記事を書き分けるのもメンドウなので、過去に撮影した写真の良さそうなモノを一挙公開するための記事に仕立ててみた。

航空自衛隊

 航空自衛隊では1983年に初号機を受領して以来、約40年に渡って合計16機の運用を続けている。輸送機だが、3機は空中給油機に改造されている。ただし、機内に燃料タンクを搭載しない場合には通常の輸送機同様の運用が可能だ。上述した通り、千葉県内では習志野演習場における空挺降下訓練の際に見ることができる。また、例年秋ごろに行われる海上自衛隊下総航空基地陸上自衛隊木更津駐屯地の一般公開行事にて展示されることがあり、この時には間近に眺めることができる。

写真1-1 滑走路に近づいてきた航空自衛隊のC-130H輸送機。滑走路脇の道路からの撮影。低速シャッターを使って、機体を流し撮りをしながらプロペラの回転が判るようなショットを撮るか?それとも高速シャッターを使い、機体をブラさないように確実に撮影するか?(高速シャッターだとプロペラの回転も止まってしまう)今回は機体を止めることを優先した。EOS70D, EF-S18-55mmF3.5-5.6 IS STM, ISO400, 1/800秒, f=7.1。手持ち撮影、トリミングあり。2024年1月18日、埼玉県入間基地にて

 

写真1-2 空挺降下を行う航空自衛隊のC-130H。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/800秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2023年1月8葉県習志野演習場”降下訓練始め”一般公開イベントにて

 

海上自衛隊

 東日本大震災の支援業務で全国を飛び回り、飛行時間を使いつくして退役時期を早めたYS-11M/MAの代替後継機として、2011年度補正予算で米海兵隊で使っていた中古の空中給油機KC-130Rを6機購入し、輸送機に改造して使用することしたという、国内では異例の経緯を持つ機体。中古機ゆえに「安かろう悪かろうを証明した」などという悪口が絶えないが、何とか運用している・・・ようだ。神奈川県厚木基地に集中して配備されており、千葉県内では海上自衛隊下総航空基地に物資や人員輸送のために時々やってくるようだ。上述の航空自衛隊機と外形的にはほぼ同じだが、この機体から空挺降下を行うことはない。

写真2 機体全体を青白色に塗った海上自衛隊の輸送機C-130R。モノトーン塗装で面白みに欠けるためか、航空マニアの間でも人気の無い機種のひとつ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/1,000秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2017年5月3日、神奈川県厚木基地にて

 

【在日米空軍】

 東京の横田基地に駐留する輸送部隊にはC-130J-30が配備されている。通常のC-130Jよりやや長細い胴体延長型だ。この機体は主に本国アメリカから輸送された物資を国内他基地や近隣諸国の米軍基地に「小分け配送」する役目を担っている。近年では習志野演習場で年始に行われる”降下訓練始め”の行事に参加することもあるで、予行訓練時と合わせて年に数回は県内で見ることができる。また例年5-9月頃に横田基地で行われるフレンドシップデーの際には展示され、その際には機内も公開されている。

 沖縄の嘉手納基地には特殊作戦支援用のMC-130Jが配備されている。この機体は時おり横田基地に飛来しているが、千葉県内では見られない。

写真3 習志野駐屯地で年始に行われる”降下訓練始め”に参加した米空軍のC-130J輸送機。降下しているのは習志野駐屯地第一空挺団の隊員だ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/800秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2024年1月7日、千葉県習志野演習場”降下訓練始め”一般公開イベントにて

 

【在日米海兵隊

 岩国基地に空中給油部隊のKC-130Jが配備されている。この機体は時おり厚木基地横田基地に飛来しているが、千葉県内では見られない。

写真4 航空ショーにて空中給油の様子を見せる米海兵隊のKC-130JとF/A-18戦闘攻撃機。KC-130の主翼両端のポッドから繰り出したバスケット(ドローグ)に、戦闘機側は機体から空中給油棒(プローブ)引き出し、これをドローグに差し込んで給油を受けるが、この写真の撮影時には接続はしていなかった。EOS40D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO100, 1/500秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2010年5月5日、山口県岩国基地の一般公開イベントにて

以上