<編集履歴>2022年1月6日公開
トノサマバッタLocusta migratoria は全国各地で見ることができる。オスは35~50mm程度、メスは45~70mm程度になる大型のバッタだ。しかし牛の放牧地や河原など広い範囲に丈の短い草が生えているような場所を好むので、都心近郊ではショウリョウバッタに比べると身近には見られない”希少種”だ。高密度に発生すると移動力の高い「群生相」が出現して農業に多大な被害を与えるが、普段私たちが見かけるのは「孤独相」と呼ばれる個体群だ。
体色は全国的に有名な緑色地のものから茶色地、黒色地のものまで変化に富んでいる。袖ケ浦市内では公園の周囲の草むらや宅地化前の空き地などで全ての体色のものを見ているが数は少ない。お隣の木更津市となるがアクアライン周辺の海岸沿いの空き地で比較的数多く目にしている。ただしここで紹介する写真のほとんどは県外で撮影したものだ。「生息している・目にする」ことと「良い感じに撮影できる」こととは別次元の話だと思っていただきたい。
写真1 緑色地のトノサマバッタ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/250秒, f=11。手持ち撮影、内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2021年10月5日、福井県永平寺町
写真2 トノサマバッタ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/250秒, f=10。手持ち撮影、トリミングあり。2021年10月5日、福井県永平寺町
写真3 茶色地のトノサマバッタ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/250秒, f=11。手持ち撮影、トリミングあり。2021年11月6日、千葉県木更津市金田さざなみ公園
写真4 茶色地のトノサマバッタ(雌)の上に乗る緑色地の雄。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/250秒, f=8.0。手持ち撮影、内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2021年10月5日、福井県永平寺町
写真5 撮影の瞬間にジャンプして逃げていったトノサマバッタ。面白い一瞬が撮れたので紹介しておく。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/250秒, f=9.0。手持ち撮影、内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2021年10月5日、福井県永平寺町
【余談】
その1. 仮面ライダー(初代)はバッタの怪人だ。その面構えはトノサマバッタが原型と言われている。あまりに強い怪人ができてしまったため、悪の秘密結社キサラギではバッタ型怪人の改造は禁止されているとか・・・。(「戦闘員、派遣します!」(暁なつめ、角川スニーカー文庫))
その2. 「バッタを倒しにアフリカへ」(前野 ウルド 浩太郎著、光文社新書2017)は読み物としてお薦めです。
以上