<編集履歴>2022年7月8日公開、2022年7月12日見直し更新(第1回目、写真追加)
袖ケ浦市内ではシオカラトンボとオオシオカラトンボOrthetrum triangulare melaniaが同じエリアに生息している。
シオカラトンボ(雄)とオオシオカラトンボ(雄)の識別点は「目(複眼)の色」、「翅(特に後翅)の付け根の色」、「腰の絞り具合」の3点だ。オオシオカラトンボの方が若干大きいが、これは現物を見比べ、見慣れていないと分からないだろう。以下に識別点をまとめておく。
1. 複眼の色
シオカラトンボ(雄)は複眼と顔面が青色。オオシオカラトンボは黒褐色だ。複眼の色の違いは雌に対しても同様である。
写真1,2 シオカラトンボとオオシオカラトンボでは「顔色」が異なっている。上はシオカラトンボ、下はオオシオカラトンボ。
2. 翅の付け根の色
シオカラトンボとオオシオカラトンボのどちらも翅の付け根付近は黒ずんでいる。しかしオオシオカラトンボの後翅の付け根は黒色が強く、また着色範囲も広い。
写真3,4 後翅の付け根付近の着色部に注目する。上はシオカラトンボ、下はオオシオカラトンボだがオオシオカラトンボの後翅付け根付近の黒色部がより黒く、かつ着色部の面積が大きい。
3. 腰の締まり具合
シオカラトンボの腰はキュッと締まって胴部が細くなる。一方でオオシオカラトンボではなだらかな変化で尾に向かい細くなっていく。あまり良い画像がないのでご勘弁。
【生態写真】
ここからは生態写真を紹介しよう。
写真7 オオシオカラトンボ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/100秒, f=8.0。内蔵ストロボ発光、手持ち撮影、トリミングあり。2021年6月26日、千葉県袖ケ浦市久保田
写真8 オオシオカラトンボ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=6.3。内蔵ストロボ発光、手持ち撮影、トリミングあり。2021年6月26日、千葉県袖ケ浦市久保田
写真9 交尾中のオオシオカラトンボだが、雌は雄の腹の下になってしまい見えない。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/1,000秒, f=8.0。手持ち撮影、トリミングあり。2021年9月23日、千葉県袖ケ浦市久保田
写真10 シオカラトンボとオオシオカラトンボの雌や未成熟の若い雄は体色が黄色で黒い紋様のある通称「ムギワラトンボ」だ。両種の紋様は異なっているが、決め手になるのは「顔色」だろうか。その「顔色」からこの写真に写っているのはオオシオカラトンボだと考えている。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=9.0。内蔵ストロボ発光、手持ち撮影、トリミングあり。2022年6月30日、千葉県袖ケ浦市久保田
以上