<編集履歴> 2020年03月19日公開、2023年9月21日見直し更新(第13回目、2023年シーズンまとめ)
ヒグラシTanna japonensisは袖ケ浦市長浦駅周辺で普通に見られるセミで、オスは28-38mm程度、メスは21-25mmほどの大きさだ。例年ニイニイゼミより遅く、アブラゼミよりやや早く鳴き始める。姿を消すのは比較的早く、八月末から9月初旬ごろには鳴き声が聞こえなくなるのが普通だろうか。2020年9月中旬は天候不順な日が続いており、もう聞こえないかと思っていたのだが、9月27日に一匹だけ鳴いているのを確認した。2021年は8月末から9月10日ごろまで秋雨前線が停滞し、寒く雨が多くなったが、これが明けた9月13日に鳴いていたのがシーズン最後となった・・・、と当初は書いていたが10月3日夕方に一匹だけカナカナ・・・と鳴いていた。
【ツクツクボウシ(成虫)との識別点】
細かいことをいえばアチコチ違うのだけれど、同じ生息時期に同じような場所で見かけた場合の識別点は概ね次の通りだろうか。
・大きさはほぼ同じなので、慣れていないとパッと見た目は違いが判らないが、実際は以下の点も同時に認識するので気にならない(要は”見慣れてください”、”目を肥やしてください”ということか)。
・頭の幅(目の位置)はヒグラシの方が翅の付け根から頭の先端にかけて絞られており、やや精悍な顔つきをしています(ツクツクボウシは額幅が広いので顔つきがやや柔和な感じがする。主観ですが)。
・翅の中央付近に4~5か所、翅の後端部先端に5~6か所くらい、合計で10か所程度の黒斑がある。(ツクツクボウシは透明な翅の先端部付近に黒斑が2つしかない)
・ヒグラシはツクツクホウシより赤茶色っぽく見えることが多い。
・ヒグラシは頭胸部の黒と緑の紋様が目立つ。特に目の後ろで左右を分ける緑色の縦筋が目立つ。ツクツクボウシはヒグラシほど黒色と緑色の紋様が目立たない。
・鳴き声は明確に異なる。ヒグラシは「カナカナカナ・・・」あるいは「ケーケケケケ・・・」という感じでしょかね。ツクツクボウシは「オーシンツクツク、オーシンツクツク(全部で4~5回程度繰り返し)、(終了時)オイオース、オイオース、ジュ~~~っ!」という感じです。
2020年7月10日~9月27日
2021年7月12日(2匹)~10月3日(1匹)
2022年7月07日(1匹、数秒のみ)~8月22日(以後、日中不在が多く確認できず)
2023年7月12日(3匹、なお同日アブラゼミの初鳴きも確認)~9月1日(以後、21日まで確認できず)
写真1 EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO200, 1/250秒, f=9。手持ち撮影、内蔵ストロボ発光、トリミングあり。2020年8月8日、千葉県袖ケ浦市久保田
写真2 ヒグラシ(雄)。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/200秒, f=9.0、内蔵ストロボ発光、手持ち撮影。トリミングあり。2021年8月5日、京都府るり渓温泉
写真3 比較のためツクツクボウシの雄の写真を貼り付ける。ツクツクボウシは全体的青みがかっていること、額(目と目の間)が広いこと、透明な翅の先端(止まっている時、尾部先端より先)の黒点が2つしかないことがヒグラシとの識別点だ。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/200秒, f=8.0、内蔵ストロボ発光、手持ち撮影。トリミングあり。2021年8月31日、千葉県袖ケ浦市長浦駅前にて
写真4 ヒグラシ(雄)。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=8.0、内蔵ストロボ発光、手持ち撮影。トリミングあり。2021年8月5日、京都府るり渓温泉
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