<編集履歴> 2023年3月21日公開
フジツボの仲間(フジツボ亜科)は世界に407種、日本には154種が知られている(後述する参考資料1)。だけど注目する人はほとんどいないに違いない。岸壁や岩礁に沢山こびりついている小さな富士山のような形の小石のようなモノを見て、「ああフジツボだな」と思うのがせいぜいではないだろうか。
かくいう私もフジツボなんざ(!)見ちゃいない。
(全国のフジツボファンの皆様、ごめんなさい)
2019年に始まったコロナ騒動で不要不急の外出が憚れるようになったころ、「仕方ないので」遠出はせずに近所の里山や海岸などで生物の観察を「以前より真剣に」始めたクチだ。「容易に目に入る撮って面白いモノ」を一通り撮りつくしたので、「フジツボでもマジメに撮ってみるかぁ!」となったというのが正直なハナシである。
いくつか「撮りやすい」直径2~3.5cm程度のフジツボを撮影してきて、画像をジックリ眺めると、どうやら全てクロフジツボだったようだ。今度、磯に行ったら直径数mm程度の小さなものも含めて撮ってきて確認せにゃアカンなぁと思っているトコロである。なおフジツボとはどんな生物だ?という基本的な話はWikipediaでも読んでおいてください(100%他力本願モード)。
写真1 クロフジツボだと思います。EOS70D, EF-S18-55mmF3.5-5.6L IS STM, ISO100, 1/250秒, f=9.0。手持ち撮影、トリミングあり。2023年3月8日、JR浜金谷駅周辺
上記のような理由により「東京湾各地でフジツボを見かけているけれど、その種類や見かける頻度・エリアは全く分からない」状態だ。そういえばJR長浦周辺の岸壁で見た記憶は無いなぁ。内房エリアということでなら、浜金谷以南では間違いなく見られるのだけれど。この辺の確認は「今後の宿題」だな。
写真2 岩場にびっしり張り付いたクロフジツボ・・・だと思います。EOS70D, EF-S18-55mmF3.5-5.6L IS STM, ISO100, 1/200秒, f=10.0。手持ち撮影、トリミングあり。2023年3月8日、JR浜金谷駅周辺
【撮影のヒント】
一般的に写真撮影は光が当たる面をメインに撮影する。がフジツボ(クロフジツボ)の場合は色が白く、付着している岸壁は黒っぽい色となっていることが多いので、フジツボの白色が露光オーバーになったり、背景がやたら黒く沈む絵になってしまうことが多い。そこで半逆光気味で撮影したり、早朝や夕方の斜光となるような条件で撮るとフジツボ自体に適当な影が入り、立体的に写るようになると思う。また多くのフジツボがびっしり張り付いてる場所の写真を撮る場合には出来るだけ絞りを絞って(ただしシャッター速度は遅くなる)撮影しよう。こうすると被写界深度が深くなり手前から奥までピントが合うようになるハズだ。
海水中に浸かっていると頂部から蔓脚を出しているところを観察できる。が、これを撮影するとなると、撮影する側もそこそこの準備をしていないと波でビショビショになる(よってまだ撮影に成功していない)。これも「今後の宿題」だな。
【参考資料】
(1) 「フジツボ 魅惑の足まねき」倉谷うらら著、岩波書店(2009年)
(2)「フジツボ類の最新学 知られざる固着性甲殻類と人とのかかわり」日本付着生物学会編(2006年)
(3) その他「フジツボ」や「付着生物」で検索して出てくる文献等あれやこれや
以上