千葉県袖ケ浦市周辺の生物など

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ウメボシイソギンチャク

<編集履歴> 2023年05月18日公開

 

 内房の磯の岩の隙間に見られるウメボシイソギンチャクActinia equina。本種はイギリス沿岸から西ヨーロッパ、地中海、アフリカ大陸西岸にかけて広く分布する・・・とされていたが、近年の分子生物学的手法により多くの地域の Actinia 属の種が、それぞれ別種であることがわかってきている。現在では真のActinia equina は、ヨーロッパ大西洋岸にのみ分布すると考えられるようになっているという。この見直しの流れの中で日本産のウメボシイソギンチャクは1908年以降分類学的研究は行われておらず、早急にその再検討が望まれている・・・という状況でして、現在進行形で見直しが行われている最中だそうな。

・参考:イソギンチャク類の分類学的研究

https://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/kenkyu/yanagi/yanagikenkyu.htm

 最大で直径5cm程度となる深紅のイソギンチャクだが、内房で磯遊びをする際に見かけるのは2-3cm程度のものが一般的かと思う。私自身は館山-安房勝山あたりまででは見かけているが、浜金谷以北ではまだ見つけたことがない。比較的狭い岩陰や暗所に数個体~10数個体がまとまって見つかることが多いが、広々とした場所で撮影しやすい場所には居てくれない。このため見つける機会は多いものの、なかなか写真に残せなかった生物の一つだった。

写真1 夕陽が強く当たるころに潮が満ちてきて、しぼんでいたウメボシイソギンチャクが開き始める。上げ潮の飛沫を身体に浴びながらの撮影。余談だが、この直後にカメラのフード部を海に落としてなくしてしまった。Pentax Optio WG-1, ISO400, 1/160秒、f=4.6、手持ち撮影、トリミングあり。2023年5月18日、千葉県JR安房勝山駅周辺

 

写真2 波が来て触手が開いた瞬間を狙う。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/250秒, f=8.0、手持ち撮影、トリミングあり。2023年5月18日、千葉県JR安房勝山駅周辺

 

写真3 なんとか水中写真をモノにしようとイロイロ試みたが、足場や波の状況が悪くこれを撮るのがせいぜいだった。Pentax Optio WG-1, ISO400, 1/80秒、f=3.8、手持ち撮影、トリミングあり。2023年5月18日、千葉県JR安房勝山駅周辺

 

写真4 こちらも波が来て触手が開いた瞬間を狙う。EOS70D, EF70-200mmF4L IS USM, ISO400, 1/200秒, f=8.0、内蔵ストロボ発光、手持ち撮影、トリミングあり。2023年5月18日、千葉県JR安房勝山駅周辺

 

写真5 岩の隙間に並んだウメボシイソギンチャク。干潮時に撮影。Pentax Optio WG-1, ISO400, 1/10秒、f=3.8、手持ち撮影、トリミングあり。2023年5月18日、千葉県JR安房勝山駅周辺

以上